キッチンのゴミ箱、ゴミを出したはずなのにまだ臭う――その原因は、ゴミ袋ではなくゴミ箱本体や周辺に発生源が残っていることがほとんどです。
つまり「新しい袋に交換すれば解決」ではなく、どこに臭いのもとが残っているのかを特定することが先決になります。
この記事では、住まいケア専門の私が「原因×素材×状態」の視点から、ゴミを捨てても臭う原因の切り分け方と、弱い方法から段階的に試せる安全な対処手順を解説します。
途中で「ここまで改善すれば終了」「この状態が残っていれば次の工程へ」という判断の目安も示していきますので、ご自宅の状態と照らし合わせながら読み進めてみてください。
ゴミを捨てたのにまだ臭う…原因はどこにある?(結論)
結論から言うと、ゴミ袋を外しても臭いが消えない場合、原因はゴミ箱の内部・フタ裏・パッキン・周辺のいずれかに残っています。
生ゴミそのものの臭いと、ゴミ箱本体に染みついた臭いは、原因も対処法もまったく違うものです。
生ゴミ由来の臭いは、中身を捨てて袋を交換すればその場で解消します。
一方、ゴミ箱本体側に原因がある場合は、袋をどれだけ新しくしても、フタを開けるたびに同じ臭いが漏れ続けます。
この二つを切り分けずに「とりあえず消臭スプレーをかける」「とりあえず強力な洗剤でこすってみる」という対処から入ってしまうと、原因を隠すだけで根本的な解決にはつながりません。
まずは落ち着いて、臭いの出どころがどちらなのかを確認するところから始めましょう。
まず確認したいこと:袋を外しても臭うかどうか
ゴミが臭う原因を調べるときは、いきなり洗剤を使う前に、順番に確認していくことが大切です。
以下の3ステップで、原因のおおまかな見当をつけられます。
- ステップ1:ゴミ袋を取り出し、ゴミ箱を空にする
- ステップ2:空の状態で、フタを閉めたまま数分置いてから臭いを確認する
- ステップ3:フタを開けた瞬間・内部・底面・側面と、部位ごとに臭いの強さを比べる
この確認だけで、「中身が原因だったのか」「ゴミ箱本体に原因が残っているのか」がかなり絞り込めます。
もし空にした直後から臭いがしない、あるいはごく弱い程度であれば、原因は生ゴミそのものにあったと考えてよいでしょう。
その場合は、このあとの「再発を防ぐ」の章で紹介する水切りや保管方法を見直すだけで、多くのケースは改善します。
反対に、空にしてもはっきりと臭いが残る場合は、次の章の発生源チェックへ進んでください。
ここで原因の見立てを誤ると、いくら掃除を重ねても「なぜか臭いが取れない」という状態から抜け出せなくなってしまいます。
症状別・臭いの発生源チェック表
状態ごとに、怪しい発生源をまとめると次のようになります。
自分の状況に近いものを探してみてください。
| 症状 | 考えられる発生源 | 確認する部位 |
|---|---|---|
| 袋を交換した直後から臭う | ゴミ箱本体に汚れが残っている | 底面・側面・フタ裏 |
| フタを開けた瞬間だけ強く臭う | フタ裏や可動部の汚れ | フタ裏・ヒンジ部分 |
| 洗ってすぐは臭わないが数日後に戻る | 乾燥不足による再繁殖 | パッキン・すき間全体 |
| ゴミ箱を動かした場所だけ臭う・床が変色している | 周辺への液漏れ | 設置場所の床・壁 |
| カビのような黒ずみを伴う | 湿気の滞留・拭き残し | パッキン・底面のくぼみ |
| 状態 | 怪しい場所 |
|---|---|
| ゴミ袋を外したら臭わなくなった | 中身の生ゴミそのもの |
| 袋を外しても内部が臭う | 液漏れ・底面・内壁への汚れの染み込み |
| フタを開けた瞬間に臭う | フタ裏・パッキン・可動部のすき間 |
| 空のゴミ箱そのものが臭う | 素材への臭い移り・長期的な汚染 |
| ゴミ箱を移動してもその場所が臭う | 床・壁・ゴミ箱周辺への液だれ |
| 新しい袋を入れてすぐ臭う | 本体側に汚れや臭いの原因が残っている |
新しい袋を入れてすぐに臭いを感じる場合は、袋の問題ではなく本体側に原因が残っているサインです。
ここを見誤って袋だけを交換し続けても、根本的な解決にはつながりません。
逆に、洗ってすぐは臭わないのに数日後にまた臭いが戻ってくるという場合は、この記事の後半で説明する「乾燥不足」が関係している可能性が高いです。
自分の症状がどのパターンに近いかを確認したうえで、次の章に進んでください。
発生源を順番にチェックする:底面・側面・フタ裏・パッキン
診断表で当たりをつけたら、次は実際に該当する部位を目視と手触りで確認していきます。
チェックする順番は、汚れがたまりやすい場所から見ていくのが効率的です。
- 底面:液漏れした水分が溜まりやすく、乾いた後もシミや薄い膜状の汚れが残っていることがあります
- 側面(内壁):ゴミ袋のすき間から飛び散った水分が付着し、拭き取られないまま乾燥・再湿潤を繰り返している場合があります
- フタ裏:湯気や臭気が最初に触れる部分で、目立たないため見落とされやすい箇所です
- パッキン・可動部のすき間:フタと本体の接合部にあるゴムパッキンや、開閉のためのヒンジ部分は、汚れが入り込んでも気づきにくい構造になっています
一般的には、フタ裏や可動部、パッキンのすき間は見落としやすく、ゴミ袋を交換しても臭いが残る場合の代表的な確認ポイントだといわれています。
これらの部位に汚れが残っていると、いくら中身のゴミを新しくしても、フタを開け閉めするたびに臭いが漏れ出す状態が続いてしまいます。
チェックの際は、明るい場所で目視するだけでなく、乾いた白い布やティッシュで各部位を軽く拭き取り、色や臭いが布に移るかどうかも確認してみてください。
見た目には汚れていないように見えても、拭き取った布に黄ばみや臭いが移る場合は、そこが発生源である可能性が高いといえます。
複数の部位から同時に反応が出ることも珍しくないため、一箇所だけで判断せず、底面・側面・フタ裏・パッキンの全体をひととおり確認してから、掃除の範囲を決めるとよいでしょう。
周辺への液漏れも見落とさない
ゴミ箱本体だけでなく、設置している床や壁に液体が染み込んでいるケースもあります。
ゴミ箱を少しずらしてみて、その場所だけ臭いが強い、あるいは床材が変色しているような場合は、周辺への液漏れが原因になっている可能性があります。
この場合はゴミ箱をいくら掃除しても臭いは消えないため、床や壁側の掃除も合わせて行う必要があります。
フローリングであれば、住まいの素材に応じた床用洗剤で拭き取り、最後まで水分を残さないようにしましょう。
クッションフロアやビニール系の床材であれば水拭きに強い場合が多いものの、無垢材やワックス仕上げのフローリングは水分や洗剤の成分によって変色や劣化を招くことがあるため、目立たない場所で試してから全体に広げるという慎重さが必要です。
なお、長期間気づかずに液漏れを放置していた場合、床材の内部まで水分や臭い成分が入り込み、表面を拭くだけでは改善しないこともあります。
その場合は、表面の掃除で様子を見つつ改善しなければ、床材のメンテナンスや張り替えも視野に入れる必要があるという点も、あらかじめ知っておくとよいでしょう。
素材と取扱方法を確認する
発生源のおおよその位置が分かったら、次はゴミ箱の素材を確認します。
素材によって使える洗剤や掃除方法の強さが変わるため、ここを飛ばして強い洗剤を使うのは避けたいところです。
ステンレス製の場合
ステンレスは水や汚れに比較的強く、日常的な水拭きでも清潔さを保ちやすい素材です。
一般的に、金属製のたわしや研磨力の強いスポンジで強くこすると、表面に細かい傷がつき、その傷に汚れが入り込みやすくなるといわれています。
やわらかいスポンジと中性洗剤での掃除を基本にするとよいでしょう。
また、ステンレスは塩素系の薬剤に弱い場合があり、濃度や放置時間によっては変色やサビの原因になることもあるとされています。
漂白剤の使用を検討する段階まで進んだ場合でも、必ず目立たない部分で試してから使うようにしてください。
プラスチック製の場合
プラスチックは軽くて扱いやすい反面、表面に細かい傷がつきやすく、そこに雑菌や臭いの成分が入り込みやすい素材とされています。
長期間使用したプラスチック製のゴミ箱で臭いが取れにくい場合、経年劣化によって素材そのものに臭いが染み込んでいる可能性も考えられます。
プラスチックは色移りやニオイ移りが起きやすい一方、塩素系漂白剤による色落ちも起きやすい素材です。
漂白剤を使う場合は薄めの濃度から試し、白色以外のカラー製品では特に慎重に判断することをおすすめします。
内バケツ・内リング付きのタイプ
内バケツやプラスチック製の内リングが付いたゴミ箱は、パーツを取り外して個別に洗える構造のため、お手入れの負担を軽くできる作りだといえます。
本体そのものを丸洗いしにくい重量のあるステンレス製ゴミ箱でも、内バケツ付きであれば清潔さを保ちやすくなります。
このタイプの場合は、外せるパーツはできる限り分解してから洗うことが、パッキンや接合部の汚れを取りこぼさないコツです。
分解できる範囲を把握しておくと、次の章で紹介する掃除の各ステップもスムーズに進められます。
掃除の実践:弱い方法から段階的に、そして「必要な処置だけ」を選ぶ
発生源と素材が分かったら、いよいよ実際の掃除に進みます。
いきなり強い洗剤を使うと、素材を傷めたり変色を招いたりすることがあるため、刺激の弱い方法から順番に試すのが安全な進め方です。
ただし、ここで大切なのは「重曹の次はクエン酸、その次は漂白剤」と機械的に一本道で進めることではありません。
正しい進め方は、中性洗剤で汚れを落とす→完全に乾かして再判定する→残っている臭いの性質と素材を確認したうえで、必要な処置だけを選ぶという診断型の流れです。
同じ手順を全員が全部たどる必要はなく、状態によっては重曹だけで終わる人もいれば、重曹を使わずクエン酸だけで済む人もいます。
ステップ1:ぬるま湯と中性洗剤で洗う
ぬるま湯(40℃前後)に食器用の中性洗剤を数滴垂らし、スポンジで内部全体を洗います。
このとき、フタの裏側やパッキンのすき間、持ち手のくぼみなど、汚れがたまりやすい部分を意識して洗うことが重要です。
パッキンが取り外せるタイプであれば、外して個別に洗うと汚れを落としやすくなります。
洗い終えたら、次の章で説明する方法でいったん完全に乾燥させてください。
乾燥前の生乾き状態で臭いを判断すると、水分そのものの匂いを「汚れの臭い」と誤認してしまうことがあるため、必ず乾かしきってから判定するのがポイントです。
この段階でほとんど臭いが気にならなくなった場合は、無理に次のステップへ進む必要はありません。
日常的な汚れであれば、この工程だけで十分に対応できるケースが多いです。
ステップ2:完全に乾かしてから、残っている臭いの性質を見極める
水洗いと乾燥を終えても臭いが残る場合、次にやるべきことは「とりあえず重曹をかける」ことではなく、どんな種類の臭いがどこに残っているかを見極めることです。
一般的に、生ゴミの腐敗によって出やすいのは酸性寄りの、すっぱさを感じるような臭いだといわれています。
一方、魚介類が傷んだときに出やすいアンモニア臭のようなツンとした刺激臭は、アルカリ性寄りの性質を持つとされています。
さらに、黒ずみやぬめりを伴っている場合は、単なる臭いの問題ではなく、湿気によるカビ・雑菌の繁殖が進んでいるサインである可能性があります。
このように、残っている臭いのタイプと、パッキンや底面の見た目の状態を照らし合わせることで、次に何を使うべきかが自然と絞り込めます。
すべての家庭が同じ処置を同じ順番でたどる必要はなく、ここから先は「該当する処置だけ」を選ぶという意識に切り替えてください。
残り香のタイプ別に、必要な処置だけを選ぶ
酸性寄りの生ゴミ臭がうっすら残っている程度であれば、重曹水での処置が向いています。
目安として、重曹大さじ1(約15g)を水200mlに溶かした重曹水をスプレーボトルに入れ、内部に吹きかけて5分ほど置いてから布で拭き上げます。
重曹は弱アルカリ性の性質を持ち、酸性寄りの臭いを中和する働きがあるとされているため、生ゴミ由来のすっぱい臭いが主な原因だった場合はこの処置だけで十分なことが多いです。
反対に、ぬめりを伴うアンモニア臭のようなツンとした臭いが中心の場合は、クエン酸水を使う処置のほうが向いています。
目安は、クエン酸小さじ1(約5g)を水200mlに溶かす程度です。
クエン酸は酸性の性質を持つため、アルカリ性寄りの臭いに対して中和作用を発揮しやすいといわれています。
つまり、重曹とクエン酸は「両方を順番に使うべき2つの工程」ではなく、「残っている臭いの性質によってどちらか一方を選ぶための2つの選択肢」だと考えるほうが実態に近いといえます。
生ゴミ由来の酸っぱい臭いだけが問題であれば重曹だけで十分ですし、アンモニア臭が中心であればクエン酸だけで十分なケースも珍しくありません。
判断に迷う場合や、どちらの性質か特定しにくい場合に限り、片方を試して拭き取り・乾燥させたあと、改善が乏しければもう一方を別のタイミングで試すという流れにしてください。
重曹とクエン酸を同時に混ぜて使うと発泡して洗浄力が変わってしまうため、同時に使うことは避け、必ず工程を分けてください。
一方、臭いよりも黒ずみやぬめり、カビのような症状が目立つ場合は、重曹・クエン酸の中和処置では不十分なことが多く、次の漂白処置の検討に進んだほうが合理的です。
それでも取れない場合・カビや黒ずみを伴う場合は薄めた漂白剤を検討する
ここまでの中和処置で改善しない場合、あるいは最初からしつこいカビや黒ずみが伴っている場合に限り、薄めた塩素系漂白剤の使用を検討します。
一般的な塩素系漂白剤は、製品表示にある規定の希釈倍率(多くは水1Lに対しキャップ1杯前後、目安200倍程度)を守って薄め、換気をしながら数分置いて拭き取るのが基本です。
漂白剤は素材によっては変色や劣化を招くことがあるため、目立たない部分で試してから全体に使うことが安全につながります。
また、酸性の洗剤やクエン酸水と塩素系漂白剤を同時に使うと、有害なガスが発生する危険があります。
クエン酸を使った直後に漂白剤を使う場合は、必ず水でしっかりすすいでから、時間を置いて別の作業として行ってください。
この段階まで来ても改善しない場合は、掃除で解決できる範囲を超えている可能性があります。
素材の内部まで臭いが浸透しているケースでは、無理に掃除を繰り返すより、後述する買い替えの検討に進んだほうが合理的なこともあります。
完全乾燥までがワンセット|臭い戻りの最大要因
掃除をしたのに数日でまた臭う、という場合、実は洗浄そのものより「乾燥不足」が原因になっているケースが少なくありません。
水分が残った状態でフタを閉めてしまうと、拭き残した汚れと湿気が組み合わさり、雑菌が再び繁殖しやすい環境をつくってしまいます。
- 拭き上げ後は、フタを開けたまま風通しのよい場所に置く
- パッキンや可動部のすき間は、乾いた布や綿棒で水分を丁寧に取り除く
- 完全に乾いたことを目視・手触りで確認してから、新しい袋をセットする
洗う工程よりも、乾かす工程を省略しないことが、臭いを戻さないための最大のポイントだと考えられます。
意外と見落とされがちなこの「乾燥」の工程こそ、掃除をしても臭いが戻るという悩みを解消する鍵になります。
目安としては、風通しのよい室内であれば数時間、湿度の高い時期であれば半日程度を見ておくと安心です。
急いでいる場合は、乾いたタオルで水気を拭き取ったあと、扇風機やサーキュレーターの風を軽く当てると乾燥時間を短縮できます。
パッキンのすき間は特に水分が残りやすい部分なので、綿棒などで奥まで確認する習慣をつけておくと、乾燥不足による再発をかなり防げます。
先ほどの「残り香の判定」も、この完全乾燥のあとに行うことで、はじめて正確な判断ができるという点を改めて意識しておいてください。
再発を防ぐ:生ゴミの水分・液漏れ・放置を予防する
発生源を取り除き、しっかり乾燥させたら、あとは同じ状態を繰り返さないための習慣づくりです。
次のような行動は、かえって臭いを悪化させやすいので見直しておきましょう。
- 生ゴミの水分を切らずにそのまま袋に入れる
- ゴミ袋を二重にせず、汁が漏れやすい状態で使い続ける
- 満杯になるまでゴミを詰め込み、収集日まで放置する
- 掃除をせずに消臭スプレーだけで対処し続ける
- 性質の異なる洗剤を同時に混ぜて使う
生ゴミの水分をしっかり切らずに捨てる習慣は、雑菌の繁殖を早める大きな要因とされています。
三角コーナーや水切りネットを活用し、可能な範囲で水分を切ってから捨てるだけでも、臭いの発生をかなり抑えられます。
魚のアラや肉の切れ端など特に臭いが強く出やすい生ゴミに限り、収集日まで専用の袋や容器に密閉して冷凍庫の一角で一時的に保管するという方法も、家庭で取り入れられている工夫のひとつです。
低温で保管することで雑菌の繁殖そのものを抑えられるため、収集日の朝にまとめて出せば、ゴミ箱の中で長時間臭いを発生させずに済みます。
ただし他の食品と接触しないよう保管場所を分け、収集日にはできるだけ早く処分することを心がけましょう。
また、ゴミ箱の容量が大きすぎると、ゴミをため込む期間が長くなりやすく、結果として生ゴミの臭いが強くなる原因にもなります。
家族構成や自炊の頻度に合ったサイズを選び、燃えるゴミと生ゴミを分けて捨てられる環境をつくることも、臭いをためない工夫のひとつです。
さらに、ゴミ袋自体を二重にして使う、あるいは臭い漏れを抑えるタイプの袋を使うといった工夫も、日常的な予防策として有効だと考えられます。
汁が漏れやすい生ゴミを捨てる日だけでも袋を二重にする、といった使い分けをするだけで、底面への液漏れをかなり減らせます。
性質の異なる洗剤を同時に使わないという点も、再発防止だけでなく安全面でも重要です。
塩素系と酸性タイプの洗剤を混ぜると有害なガスが発生する危険があるため、掃除用品はラベルの成分表示を必ず確認し、混ぜて使わないことを徹底してください。
それでも空のゴミ箱が臭うなら|買い替えを検討するタイミング
掃除をして、パッキンや可動部までしっかり洗い、水分も完全に乾かした――それでも空の状態のゴミ箱そのものから強い臭いがする場合は、素材そのものへの臭い移りや劣化が進んでいる可能性があります。
この段階になって、はじめて買い替えを検討するとよいでしょう。
買い替えを判断する目安としては、次のような状態が挙げられます。
- 中和処置や漂白の検討まで一通り試しても、空の状態で明らかに臭いが残る
- 表面に傷や変色が目立ち、洗っても汚れが落ちない部分がある
- パッキンが劣化してひび割れ、隙間ができてしまっている
- フタの閉まりが悪くなり、密閉性が落ちている
これらに複数当てはまる場合は、掃除を繰り返すより買い替えたほうが、時間や手間の面でも合理的だと考えられます。
買い替える際は、パッキン付きのフタや、パーツを取り外して洗える内バケツ付きの構造を選ぶと、その後のお手入れがしやすくなります。
内バケツが取り外せるタイプであれば、本体を丸ごと水洗いしなくても内バケツだけを定期的に洗浄でき、日常的な負担を減らせます。
なお、価格や在庫、キャンペーン内容は変動するため、購入前には各メーカーや販売店の公式情報で最新の内容を確認することをおすすめします。
考察:掃除の前に「発生源を特定する」ことが最優先
ここからは、住まいケアの視点からの考察です。
多くの人は、ゴミ箱が臭うとまず消臭剤や高機能なゴミ箱の購入といった「足し算」の発想に向かいがちだと感じます。
脱臭フィルターやパッキン付きのフタは、臭いの発生を抑える補助として有効な構造です。
ただし、それらはあくまで発生源そのものを取り除く掃除の代わりにはならないと筆者としては考えます。
高機能な構造のゴミ箱であっても、可動部やパッキンのすき間に汚れが蓄積すれば、その構造自体が新たな発生源になり得ると考えられます。
つまり、どれだけ優れた構造のゴミ箱を選んでも、発生源を特定して取り除くという工程を省略すれば、臭いは必ず戻ってくるということです。
同じように、重曹やクエン酸についても「とりあえず両方を順番にかける」という発想では、本来なら1回の処置で済むはずの手間が余分に増えてしまいます。
個人的には、まず「ゴミを捨てたのにまだ臭う」と感じた時点で、袋の交換だけで済ませず、上で紹介した診断表に沿って発生源を切り分けるステップを先に踏むこと、そして残り香の性質を見てから必要な処置だけを選ぶことが、遠回りのようで実は一番の近道だと考えています。
そのうえで、掃除・乾燥・予防という順番を習慣化できれば、ゴミ箱そのものの買い替えに頼らなくても、多くのケースで臭いは十分にコントロールできるはずです。
今後は生ゴミ処理機やコンポストとの併用によって、そもそもゴミ箱に生ゴミを長時間入れておかない暮らし方が広がっていく可能性もあります。
とはいえ、すべての家庭がすぐに導入できるものではないため、当面は「発生源を特定する診断」と「状態に合わせて必要な処置だけを選ぶ掃除習慣」の組み合わせが、もっとも現実的で続けやすい対策であり続けるだろうというのが筆者の見通しです。
私なら、まず空のゴミ箱で臭いを確認し、フタ裏とパッキンから先にチェックします。
そこで改善しなければ水洗いと乾燥まで進め、残った臭いの性質を見たうえで、重曹かクエン酸のどちらか一方だけを試し、それで十分だと感じた時点でそこから先の工程には進みません。
漂白剤の使用や買い替えは、あくまで素材や状態を確認したうえで、カビや黒ずみなど中和処置では対応できない症状がある場合にだけ選ぶ選択肢だと考えています。
まとめ
ゴミを捨てたのにゴミ箱がまだ臭う場合、原因は生ゴミそのものではなく、ゴミ箱本体や周辺に残っていることが多くあります。
まずは袋を外して臭いの有無を確認し、底面・側面・フタ裏・パッキンといった部位ごとに発生源を切り分けることが最優先です。
発生源が特定できたら、素材に合わせて中性洗剤で洗い、しっかり乾燥させてから残っている臭いの性質を見極め、酸性寄りの生ゴミ臭なら重曹、アンモニア臭のようなツンとした臭いならクエン酸というように、必要な処置だけを選んで対処しましょう。
重曹とクエン酸は必ずしも両方を順番に使う必要はなく、カビや黒ずみを伴う場合は中和処置を経由せず、薄めた漂白剤の検討に進んだほうが合理的なこともあります。
洗浄と同じくらい重要なのが完全乾燥で、水分を残したまま使い始めると臭いが戻りやすくなります。
そのうえで生ゴミの水切りや液漏れ対策を習慣にし、それでも空のゴミ箱自体が臭う場合にのみ、劣化や臭い移りを疑って買い替えを検討するという順番が、無理なく続けられる臭い対策だといえます。
よくある質問
ゴミを捨てたのに、まだゴミ箱が臭うのはなぜ?
袋を外しても臭いが消えない場合、フタ裏やパッキン、可動部のすき間、あるいは底面や側面に汚れや液漏れが残っている可能性があります。
まずは空の状態で臭いを確認し、どの部位から臭っているかを切り分けることが第一歩です。
新しいゴミ袋を入れてもすぐに臭う場合は?
袋を交換してすぐに臭いを感じる場合、原因は袋の中身ではなく、ゴミ箱本体側に汚れや臭いのもとが残っているサインと考えられます。
本体を空にして水洗いし、フタ裏やパッキンまで丁寧に確認・清掃することをおすすめします。
重曹とクエン酸は必ず両方使わないといけない?
いいえ、必ずしも両方を使う必要はありません。
酸性寄りの生ゴミ臭が中心なら重曹だけ、アンモニア臭のようなツンとした臭いが中心ならクエン酸だけで十分なケースが多く、残っている臭いの性質に合わせてどちらか一方を選ぶのが基本です。
どちらの性質か判断しづらい場合のみ、片方を試して乾燥させたあと、改善が乏しければ別のタイミングでもう一方を試してください。
同時に混ぜて使うと発泡して洗浄効果が変わってしまうため、必ず工程を分けることは共通のルールです。
掃除しても数日でまた臭ってくるのはどうして?
洗浄後の水分が完全に乾ききっていないことが原因になっている場合があります。
拭き上げたあとはフタを開けたまま風通しのよい場所でしっかり乾燥させ、パッキンのすき間まで水分が残っていないか確認しましょう。
買い替えの目安はどのくらい?
掃除をして完全に乾燥させても、空の状態のゴミ箱そのものから強い臭いがする場合は、素材への臭い移りや劣化が進んでいる可能性があります。
その段階になってはじめて、パッキン付きや内バケツ付きの製品への買い替えを検討するとよいでしょう。
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