洗濯表示マークの見方|タグで洗濯機OK判定する手順と41記号一覧

洗濯表示マークの見方|タグで洗濯機OK判定する手順と41記号一覧 掃除・暮らしケア

洗濯表示マークは「こう洗ってください」という指示ではなく、「ここまでなら大丈夫」という上限を示す記号です。

タグを見てまず知りたいのは、記号の名前ではなく「この服、洗濯機に入れていいの?」という一点のはずです。

この記事では、まずその判断フローを最初に押さえたうえで、2016年12月に切り替わった新表示41記号を形ごとに一覧化し、旧表示との対応まで、タグを裏返す数分でまとめます。

急いでいる方のために結論から言うと、洗濯機に入れられるかどうかは桶マーク1つで判断できます。桶に×が付いていなければ、あとは数字(上限温度)と横棒(弱さ)を見るだけです。それ以外の記号は、乾燥・アイロン・クリーニングの場面で必要になったときに確認すれば十分です。

何の記号か 記号番号 読み方のカギ
家庭での洗濯 100〜195 中の数字=液温の上限、下の横棒=力の弱さ
三角 漂白 200〜220 斜線2本=酸素系のみ可
四角+丸 タンブル乾燥 300〜320 中の点の数=排気温度の上限
四角+線 自然乾燥(干し方) 410〜445 線の向き・本数+左上の斜線=陰干し
アイロン アイロン仕上げ 500〜530 点の数=底面温度の上限
丸+P・F ドライクリーニング 600〜621 溶剤の種類、下線=弱い処理
丸+W ウエットクリーニング 700〜712 下線が増えるほど弱い処理

洗濯表示の読み方|タグを見てこの服をどう洗うか判断する手順

答えを先に言います。服が洗濯機に入れられるかどうかは、桶マークひとつで決まります

そこから漂白・乾燥・アイロン・クリーニングへと、確認する順番が決まっています。

ここが今回いちばん伝えたい部分です。41種類の記号をすべて覚える必要はありません。

タグを見たときに「この服、どう洗えばいい?」という問いに答えるための手順は、次の7つの分岐だけで十分です。

  • 桶に× → 家庭では洗わない。水洗い不可なので、洗濯機にも手洗いにもかけない
  • 桶に手のマーク → 手洗いのみ可能。40℃を限度に、押し洗いなどやさしく洗う
  • 桶+数字 → 洗濯機で洗ってよい。数字は液温の上限であって、目標値ではない
  • 桶の下に横棒 → 横棒がある分だけ弱いコースを選ぶ。1本なら弱め、2本ならさらに弱め
  • 四角+丸に× → 乾燥機(タンブル乾燥)はNG。脱水後は干して乾かす
  • 三角に× → 漂白剤は使わない。三角に斜線なら酸素系のみ可、という中間の答えもある
  • 最後に付記用語を見る → 「洗濯ネット使用」「単独洗い」など、記号だけでは伝わらない条件を文字で確認する

実際のタグでこの順に読んでいく流れを、もう少し具体的に見てみます。

まずいちばん左の桶を見てください。ここで洗濯機にかけていいかどうかの大枠が決まるので、他の記号より先に確認します。

ここに×が付いていたら、その時点で家庭での洗濯は選択肢から外れます。以降の記号を確認する必要もありません。すぐに丸マーク(クリーニング)の確認へ進みます。

桶に×が無く、手のマークが描かれていれば、選べるのは手洗いだけです。洗濯機は使えません。桶の中の数字(多くは110の1種類)が、そのときの上限温度です。

桶の中に数字だけが書かれていれば、洗濯機で洗えます。数字が高いほど頑丈な生地だと分かりますが、家庭で使う温度はほとんどの場合、それより低くて構いません。数字は「ここまで耐えられる」という上限であって、「この温度で洗うべき」という指定ではないからです。

桶の下に横棒があれば、洗濯機の設定を弱くします。横棒1本なら「弱水流」「ドライ」「手洗い」などのコース、2本ならさらに優しいコースを選びます。コースの名前は機種によって違うため、迷ったら取扱説明書で確認するのが確実です。

洗濯そのものの可否が分かったら、次に確認するのは中央の四角です。脱水後にどう乾かすかで生地への負担が変わるため、洗い方が決まった段階でここを見ておきます。

四角の中に丸が描かれ、そこに×が付いていれば、乾燥機(タンブル乾燥)は使えません。脱水したあとは、四角の中の線が示す干し方(つり干し・平干し・陰干しなど)に従います。

丸に×が付いていなければ、点の数(1つか2つ)に応じた温度までタンブル乾燥が可能です。

そして三角は漂白の可否です。×なら漂白剤は使いません。斜線が2本入っていれば、酸素系漂白剤だけが使える、という意味になります。塩素系はどちらの場合も避けます。

ここまでの4つの記号(桶・桶の下の横棒・四角・三角)を確認すれば、日常の洗濯判断はほぼ終わります。ここで判断がついた服は、それ以上ほかの記号を追う必要はありません。

アイロンと丸(クリーニング)の記号は、仕上げの段階やプロに頼むかどうかを判断する場面でのみ見れば十分です。

最後に忘れずに見てほしいのが、記号のそばに書かれた付記用語です。「洗濯ネット使用」「単独洗い」といった文字表示は、記号では表現しきれない条件を補っています。記号だけを見て文字を読み飛ばすと、この情報がまるごと抜け落ちてしまいます。

たとえば、あるニットのタグに「桶+30、下に横棒1本、四角+丸に×、付記用語『洗濯ネット使用』」と並んでいたとします。

これは「洗濯機の弱水流コースで30℃以下、乾燥機は使わず、洗濯ネットに入れる」という条件がすべて記号と文字で示されている、ということです。

もう一例挙げると、綿シャツのタグに「桶+60、四角+丸の点2つ、三角に斜線2本」とあれば、「洗濯機で60℃以下、タンブル乾燥は高温側までOK、漂白は酸素系のみ使用可」という内容になります。同じ「洗濯機OK」でも、上限温度や乾燥・漂白の可否は服ごとにまったく違うため、一枚ごとにタグを確認する習慣が結局いちばんの近道です。

この4〜5点さえ拾えれば、あとの細かい記号は「念のための一覧」として必要なときだけ参照すれば足ります。

洗濯表示マークとは? 新表示は「指示」ではなく「上限」を示す記号

いちばん大事なところから、先に答えます。

新しい洗濯表示は、取扱い方法の「上限」を示す記号です。

旧表示が「こう洗いましょう」という推奨(指示)だったのに対し、新表示は「これを超えると衣類が傷むおそれがある」というラインを示すものへと役割が変わりました。

つまり桶の中の「40」は、「40℃のお湯で洗ってください」ではなく「40℃を超えたらダメですよ」という意味です。ここを取り違えたまま洗ってしまうと、表示通りの温度のつもりが実は上限ぎりぎりを攻めていた、ということが起こります。

ここを取り違えている方は、実は少なくありません。

上限の数字を「これくらいのお湯で洗うのが正解」だと思い込み、表示ぎりぎりの温度設定で洗ってしまう——というのは、洗濯表示にまつわる誤解の中でもよくあるパターンです。

一般的には、綿混素材やウール混の衣類は熱に弱く、上限に近い温度で洗うと縮みや型崩れが起きやすいと言われています。結果として、身幅が縮んで袖が突っ張るようになったり、風合いが変わってしまったりすることがあります。

上限を「目標値」と読み違えると、こういう失敗が起きます。だからこそ、数字を見た瞬間に「これは目安ではなく上限だ」と一度立ち止まる習慣が役に立ちます。

表示より高い温度や強い力でのお手入れは、衣類にダメージを与える可能性があります。洗濯表示はレシピではなく、非常ベルの位置を示す図面なのです。

この表示の根拠となっているのが、日本産業規格のJIS L0001。国際規格ISO 3758に整合させた規格で、家庭用品品質表示法にもとづく表示として、消費者庁が「新しい洗濯表示」として周知しています。

新表示に切り替わったのは2016年12月1日。旧表示(JIS L0217)の22種類から、新表示では41種類へと記号が増えました。どんな図柄に分かれるかは、このあと「早見表」のセクションでまとめて確認します。

記号が省略されているときは、その図柄の中でもっとも強い(厳しい)処理まで可能という意味です。

これはJIS L0001が定める記号の運用ルールで、消費者庁の「新しい洗濯表示」の解説でも同じ趣旨が示されています。

つまり「マークが無い=分からない」ではありません。無い=いちばん厳しい条件までOK。表示の空白は、迷いの余地ではなく答えなのです。

なぜ変わったのか? 国際規格に合わせるための切り替え

改正の背景にあるのは、国内規格と国際規格のズレです。

旧表示(JIS L0217)は日本独自の記号体系で、海外で作られた衣料品に付いているISO 3758の記号とは形も意味も異なっていました。

輸入衣料が当たり前になるほど、消費者は2種類の記号を見分けなければならなくなります。

そこでJIS L0001をISO 3758に整合させ、記号の体系そのものを国際共通のものへ揃えたわけです。

海外表示(ISO)と同じ図柄になったことで、輸入品のタグもそのまま読めるようになりました。

切り替えは2016年12月1日の製造・販売分からで、それ以前に作られた製品は旧表示のまま流通します。

だからこそ今でも、クローゼットの中では新旧の表示が混在しているのです。タグを見たときにまず「これは新表示か、旧表示か」を意識しておくと、この先の判断がぶれません。見分け方はシンプルで、記号の数がシンプルな四角と丸だけで構成され、四角の中の線が細かく描き分けられていれば新表示、四角ではなく衣類のような形のイラストで干し方を示していれば旧表示、と考えるとおおむね合っています。

「増えて分かりにくくなった」と言われる理由はここにありますが、増えた分だけ服の状態が細かく伝わるようになった、とも言えます。

洗濯表示マークの早見表|まず5つの形と2つのルールで覚える

判断フローで日常の洗濯はほぼ足りますが、それぞれの形が具体的にどんな記号を持っているかも、必要なときに引けるようにしておきます。

新表示で使われる図柄は、次の7つに整理できます。

  • 洗濯(桶のマーク)
  • 漂白(三角のマーク)
  • タンブル乾燥(四角の中に丸)
  • 自然乾燥=干し方(四角の中に線)
  • アイロン(アイロンの形)
  • ドライクリーニング(丸の中にPまたはF)
  • ウエットクリーニング(丸の中にW)

タンブル乾燥とは、機械の中で衣類を回転させながら温風で乾かす方式のこと。

ウエットクリーニングとは、クリーニング店が専門技術で行う水洗いと仕上げまでを含む処理を指します。

まず、形と役割の対応を1枚で押さえます。

示す内容 見るポイント
洗濯(機械・手洗い) 数字=上限温度、横棒=弱さ
三角 漂白 ×=禁止、斜線2本=酸素系のみ可
四角+丸 タンブル乾燥 点の数=上限温度、×=禁止
四角+線 自然乾燥(干し方) 線の向き・本数・斜線で干し方が変わる
アイロン アイロン仕上げ 点の数=底面温度の上限
丸(P・F・W) クリーニング ×が無ければ依頼可能

なお、41記号の内訳は洗濯14+漂白3+タンブル乾燥3+自然乾燥8+アイロン4+ドライ5+ウエット4。具体的な記号番号と意味は、この下の形ごとの一覧表に順番に掲載します。

記号番号 見た目 意味
195 桶に95 95℃を限度に洗濯機で洗濯ができる
170 桶に70 70℃を限度に洗濯機で洗濯ができる
160 桶に60 60℃を限度に洗濯機で洗濯ができる
161 桶に60+横棒1本 60℃を限度に弱い洗濯ができる
150 桶に50 50℃を限度に洗濯機で洗濯ができる
151 桶に50+横棒1本 50℃を限度に弱い洗濯ができる
140 桶に40 40℃を限度に洗濯機で洗濯ができる
141 桶に40+横棒1本 40℃を限度に弱い洗濯ができる
142 桶に40+横棒2本 40℃を限度に非常に弱い洗濯ができる
130 桶に30 30℃を限度に洗濯機で洗濯ができる
131 桶に30+横棒1本 30℃を限度に弱い洗濯ができる
132 桶に30+横棒2本 30℃を限度に非常に弱い洗濯ができる
110 桶に手 40℃を限度に手洗いができる
100 桶に× 家庭での洗濯禁止

共通するルールは2つだけです。×が付いたら禁止下の横棒が増えるほど弱く扱う。この2つは、どの形でも同じように効きます。迷ったときは、まずこの2つのルールに当てはめて考えれば大きく外しません。

洗濯(桶)記号の一覧|数字と下線の意味は?

答えを先に言えば、桶の中の数字=液温の上限桶の下の横棒=洗う力の弱さです。

旧表示では「洗濯機洗い」が長方形、「手洗い」が桶と分かれていましたが、新表示ではどちらも桶のマークに統一されました。

※画像はAIによるイメージ

横棒の読み方はシンプルです。

  • 横棒なし……通常の洗濯でOK
  • 横棒1本……弱い洗濯
  • 横棒2本……非常に弱い洗濯

95℃や70℃はシーツやタオル類など、高温での洗浄に耐える製品に付く表示です。家庭ではまず使わない温度域ですが、「上限が高い=丈夫な生地」というシグナルとして読むことはできます。

そして手洗いの記号は110の1種類のみ。桶の中に手が入ったマークを見つけたら、40℃を限度に手洗い、と覚えれば十分です。

「弱い洗濯」と言われても、洗濯機のどのボタンを押せばいいのか分からない——これはよく聞かれる質問です。

多くの洗濯機には「弱水流」という名称のコースがなく、「ドライ」「手洗い」「おしゃれ着」「ソフト」など別の名前が付いています。コース名は機種によって異なるため、お使いの洗濯機の取扱説明書で確認してください。ここは記号だけでは判断しきれない部分なので、確認を飛ばさないのが確実です。

なお、「40℃を超えなければ何度でもいい」というわけでもありません。一般的には、上限温度に近づくほど繊維や染料への負担が大きくなると言われているため、特にこだわりがなければ常温〜30℃程度の低めの温度を基本にしておくと、色あせや縮みのリスクを抑えやすくなります。

漂白(三角)記号の一覧|酸素系だけOKはどれ?

三角に斜線2本が入っていれば、酸素系漂白剤のみ使用可です。ここが新表示でもっとも実用的に進化した部分です。

記号番号 見た目 意味
220 三角のみ 塩素系及び酸素系の漂白剤が使用できる
210 三角に斜線2本 酸素系は使用できるが、塩素系は使用禁止
200 三角に× 塩素系・酸素系ともに使用禁止

旧表示は「塩素系が使えるかどうか」の2択でした。そのため、実際には酸素系なら問題なく使える服まで、「漂白剤NG」と受け取られていたわけです。

この3段階化は、新表示の中でも読者にとって実用性が高い改定だと考えられます。色柄物の襟汚れや黄ばみに悩む人にとって、酸素系が使えるかどうかは判断の分かれ目になるからです。三角の記号だけは省略せずに毎回確認しておくと、漂白剤選びで迷う場面が減ります。

一般的に、酸素系漂白剤は色柄物にも比較的使いやすいとされる一方、塩素系漂白剤は漂白力が強い反面、色柄物には使えないケースが多いとされています。三角に×が付いている場合は、酸素系・塩素系のどちらも避け、漂白以外の方法(つけ置き洗いや部分洗いなど)で汚れに対処する必要があります。

乾燥(四角)記号の一覧|タンブル乾燥と自然乾燥の違いは?

四角+丸=機械乾燥(タンブル乾燥)四角+線=自然乾燥(干し方)。この対応で迷いません。

旧表示では衣類の形をしたマークで干し方だけを示していましたが、新表示では四角の中の線で表現し、さらにタンブル乾燥の記号が新設されました。

記号番号 見た目 意味
320 四角+丸、中に点2つ タンブル乾燥ができる(排気温度上限80℃)
310 四角+丸、中に点1つ 低い温度でのタンブル乾燥ができる(排気温度上限60℃)
300 四角+丸に× タンブル乾燥禁止

丸の中の点が2つなら高温まで、1つなら低温まで、×なら乾燥機は使えません。

ドラム式や衣類乾燥機を日常的に使う家庭では、洗濯記号より先にここを見る癖をつけると、縮みのトラブルを減らしやすくなります。乾燥機にかけてから記号を確認するのでは手遅れになるためです。

自然乾燥は、線の向き・本数・左上の斜線の3要素の組み合わせで読みます。

記号番号 見た目 意味
445 四角+縦線1本、左上に斜線 日陰のつり干しがよい
440 四角+縦線1本 つり干しがよい
435 四角+縦線2本、左上に斜線 日陰のぬれつり干しがよい
430 四角+縦線2本 ぬれつり干しがよい
425 四角+横線1本、左上に斜線 日陰の平干しがよい
420 四角+横線1本 平干しがよい
415 四角+横線2本、左上に斜線 日陰のぬれ平干しがよい
410 四角+横線2本 ぬれ平干しがよい

用語の意味は次の通りです。

  • つり干し(縦線)……物干しざおなどにかけて干す
  • 平干し(横線)……平らな場所に広げて干す
  • ぬれ干し(線が2本)……洗濯機による脱水や手でのねじり絞りをしないで干す
  • 陰干し(左上の斜線)……直射日光による色あせを避けて干す

見落とされがちなのが「ぬれ干し」です。脱水せずに干すという発想は日本の洗濯習慣に馴染みが薄いのですが、レーヨンなど型崩れしやすい素材では大きな意味を持ちます。この記号がある服を通常どおり脱水してしまうと、そこで型崩れが起きてしまうため、脱水前に一度確認しておく価値があります。

そして新表示には「絞り方」の記号がありません。旧表示にあった絞り方の指示は廃止され、その役割の一部を「ぬれ干し」記号が引き継いだ形になっています。

記号が減ったのではなく、意味が別の記号に移った——そう理解しておくと整理しやすくなります。型崩れに悩む服を持っている人ほど、四角の中の線をよく見てほしいところです。

※画像はAIによるイメージ

アイロン記号の一覧|点の数と温度の上限は?

アイロンのマークの中にある点の数が、底面温度の上限を示します。数が多いほど高温まで耐えられるという意味です。

記号番号 見た目 意味
530 アイロン+点3つ 底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる
520 アイロン+点2つ 底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
510 アイロン+点1つ 底面温度110℃を限度とし、スチームを使わずにアイロン仕上げができる
500 アイロンに× アイロン仕上げ禁止

ここで注意したいのが、点1つの110℃です。

温度が低いだけでなく、スチームを使わないことが条件になっている点を見落としがちだからです。

蒸気そのものが不可ということは、水分に弱い加工が施されている可能性がある、というサインでもあります。

点の数だけ見て「低温ならスチームでもいいだろう」と判断すると、そこで失敗します。点と、その周囲の条件——両方を確認してから、初めてアイロンを当てる温度を決めてください。

家庭用アイロンの「綿・麻(高温)」設定は、一般に200℃前後まで上がります。点1つのシャツにこの設定を当てれば、テカリや溶けが起きてもおかしくありません。

反対に、点3つ(200℃上限)の表示がある綿・麻素材は、比較的高温での仕上げに強い生地だと分かります。ただしこれも「200℃を推奨」しているわけではなく、あくまで上限です。しわが伸びる程度の低めの温度から試し、必要に応じて温度を上げていくほうが、生地を傷めるリスクを抑えられます。

クリーニング(丸)記号の一覧|洗濯禁止の服はどうすればいい?

桶に×の「洗濯禁止(100)」を見つけたら、次に見るのは丸のマークです。ここで自力対応の道が残っているかどうかが決まります。

そもそも「洗濯禁止」とは、水洗い不可=家庭での洗濯ができないという意味。家庭の洗濯は洗濯機でも手洗いでも基本的に水洗いなので、自力での洗濯には向きません。

「うちの洗濯機にはドライコースがあるから大丈夫では?」と思う方も多いのですが、家庭用洗濯機のドライコースでも水を使います。無理に洗えば、縮みや色あせ、生地の傷みにつながるおそれがあります。

記号番号 見た目 意味
621 丸にP+下線1本 パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
620 丸にP パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる
611 丸にF+下線1本 石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
610 丸にF 石油系溶剤によるドライクリーニングができる
600 丸に× ドライクリーニング禁止
712 丸にW+下線2本 非常に弱い操作によるウエットクリーニングができる
711 丸にW+下線1本 弱い操作によるウエットクリーニングができる
710 丸にW ウエットクリーニングができる
700 丸にW+× ウエットクリーニング禁止

丸の中にPかFが入っていて×が付いていなければ、クリーニング店に出せる。溶剤の選択はプロの仕事なので、消費者側が薬品名まで覚える必要はありません。

丸の中の「W」はウエットクリーニング。「洗濯可のマークはあるけれど、自分で洗うのは不安」というデリケートな服を店に持ち込むとき、この記号を確認しておくと相談がスムーズになります。

洗濯禁止のマークがある服でも、ドライやウエットの記号に×が付いていなければ、専門店で汚れを落とす道は残っています。「洗えない服=どうにもならない服」ではありません。

ちなみに、飾りの多い服・特殊な加工の服・革製品や毛皮・和装などは、一般のクリーニング店では受付を断られることがあります。

理由は、溶剤や熱、機械の力に加工が耐えられない可能性があるためです。これは店側の技術不足ではなく、素材と処理の相性の問題です。

心当たりのある服は、持ち込む前に電話で一度確認するのが確実です。見積もりの際に、シミの種類や付いた時期を伝えておくと、対応可否の判断がスムーズになることもあります。

付記用語とは? 記号のそばに書かれた文字表示の役割

付記用語とは、記号だけでは伝えきれない条件を補うために併記される文字表示です。

新表示の記号は国際規格に合わせた分、意味の粒度が固定されています。そこからこぼれる情報は、文字で書くしかありません。

タグでよく見かけるのは、次のような表現です。

  • 洗濯ネット使用……摩擦や引っかかりを避けるための指定
  • 単独洗い/他のものと分けて洗う……色移りのおそれがある製品に付く
  • 中性洗剤使用……新表示に洗剤の種類を示す記号が無いため文字で示される
  • タンブル乾燥禁止……記号と併記されることもある
  • あて布使用……アイロンの記号だけでは表せない仕上げ条件

つまり、記号が「上限」を示し、付記用語が「具体的な守り方」を示すという役割分担です。

旧表示にあった「中性」の指示が新表示の記号から消えたのは、指示そのものが不要になったからではありません。表現の場所が、記号から文字へ移っただけです。

タグを読むときに記号だけを追って文字を読み飛ばすと、この分担の片側を丸ごと落とすことになります。ここは意外と見落とされやすいポイントです。

付記用語には法的な統一書式があるわけではなく、メーカーやブランドごとに表現の細かさが異なります。「洗濯ネット使用」だけの場合もあれば、「ネットに入れ、単独で弱水流洗い」のように複数条件をまとめて書いているタグもあります。文字数が多いタグほど、その服がデリケートな素材である可能性が高い、という見方もできます。

洗いたい衣類・素材別の詳しい洗い方

ここまでの判断フローと早見表で、タグに書かれた記号の意味はほぼ読み解けるようになったはずです。

ただ、実際の洗濯で迷いやすいのは「記号は分かったけれど、この素材ならではの注意点は?」という部分です。

素材や衣類の種類によって、記号の読み方に加えて気をつけたいポイントが変わってきます。

  • デニム……色落ちと縮みの両方に配慮した洗い方
  • レーヨン……水に弱く型崩れしやすい素材の扱い方
  • ポリエステル……縮みにくい反面、静電気や毛玉が気になる素材の洗い方
  • 羽毛布団……家庭で洗えるかどうかの見極めと、洗える場合の手順
  • 手洗い……桶に手のマークが付いた衣類の具体的な洗い方
  • おしゃれ着……ニットやカットソーなど型崩れしやすい服のコース選び
  • 洗濯できない衣類……桶に×が付いた服の、家庭でできる範囲のお手入れ方法

このあたりは、それぞれの素材ごとに「弱い方法から段階的に試す」具体的な手順を、別の記事で詳しく取り上げていく予定です。

まずは今回の記事で、自分の服のタグが「洗濯機OK」なのか「手洗いのみ」なのか「洗濯禁止」なのかを判断できるようになれば十分です。

旧表示との違いは? 22種類から41種類へ、新旧の読み替え早見

古い服のタグが読めない、という悩みは決して珍しくありません。クローゼットに数年前・数十年前に購入した服が残っている家庭では、新旧の表示が混在しているのが普通だからです。

大きな変更点を先に整理します。

  • 記号の数が22種類→41種類に増えた
  • 記号の意味が「指示」から「上限」に変わった
  • タンブル乾燥ウエットクリーニングの記号が新設された
  • 絞り方の記号が廃止された
  • 漂白が2択から3段階になった
  • 洗濯機洗いと手洗いが桶マークに統一された

そのうえで、旧表示のタグを新表示の考え方に読み替える目安が次の通りです。

  • 旧「洗濯機・弱・40」……新表示の141(40℃限度・弱い洗濯)におおむね対応
  • 旧「手洗イ30」……新表示に30℃の手洗い記号は無く、手洗いは110(40℃限度)に一本化
  • 旧「中性」……新表示に洗剤の種類を示す記号は無く、必要な場合は付記用語(文字)で示される
  • 旧「絞り方」の記号……廃止。型崩れ対策は「ぬれ干し」記号が担う
  • 旧「ドライ」……新表示ではPやFで溶剤の種類まで分かるようになった

厳密な一対一の変換ではありませんが、「旧表示は推奨、新表示は上限」という前提で読み替えれば、大きく外すことはありません。

迷ったときは、旧表示のタグでも弱いほう・低いほうから試す。判断材料が足りない状態で強い方法を選ぶより、まず弱い条件で様子を見て、それで問題なければそこで終える——これが古い服に対するいちばん安全な向き合い方だと考えられます。

※画像はAIによるイメージ

なお、旧表示のタグに記号だけでなく「ドライクリーニングのみ」「水洗いできません」といった日本語の注記が添えられている場合は、記号よりもその文字情報を優先して読んでください。旧表示の記号は種類が少ない分、細かい条件は文字で補われていることが多いためです。

洗濯表示で迷いやすい・失敗しやすいポイント

判断フローと記号の意味が分かっても、実際の洗濯では思い込みで失敗することがあります。よくあるつまずきを4つにまとめました。

  • 数字を「推奨温度」だと思わない……桶の中の数字はあくまで上限です。40と書かれていても、20℃や30℃で洗って問題ありません
  • ドライコース=ドライクリーニングではない……家庭用洗濯機の「ドライコース」は水を使う弱水流の洗い方です。桶に×の「洗濯禁止」の服には使えません
  • タンブル乾燥禁止を見落とさない……四角+丸に×が付いた服を乾燥機にかけると、縮みや型崩れの原因になります。脱水後は記号の指示どおりに干します
  • 付記用語も確認する……「洗濯ネット使用」「単独洗い」など、記号だけでは伝わらない条件が文字で書かれていることがあります。記号だけを見て終わらせないようにします

いずれも、記号を「なんとなく」で読んでしまうことから起きる失敗です。判断フローの手順に沿って、桶→横棒→四角→三角→付記用語の順で確認する習慣をつけておけば、こうした失敗はかなり防げます。

このほかにも、複数の衣類をまとめて洗う場合に注意したい点があります。一枚ずつタグを確認するのが理想ですが、実際には洗濯かごの中身をまとめて洗うことが多いはずです。その場合は、かごの中でもっとも条件の厳しい服に合わせるのが安全な考え方です。上限温度がもっとも低い服、横棒の本数がもっとも多い服、乾燥機禁止の服が1枚でも混ざっていれば、洗濯機の設定はその1枚に合わせます。

まとめ|洗濯表示マークは「桶を見る」ことから始める

洗濯表示マークは、桶(洗濯)・三角(漂白)・四角(乾燥)・アイロン・丸(クリーニング)の5つの形からなり、JIS L0001にもとづく41種類がすべて上限を示しています。

服が洗濯機に入れられるかどうかは、まず桶マークで判断できます。×なら家庭では洗わない、手のマークなら手洗いのみ、数字なら洗濯機OKで数字は上限温度、下に横棒があれば弱いコースを選ぶ——この4パターンを覚えるだけで、日常の判断はほとんど足ります。

そのあとに四角(乾燥機の可否)、三角(漂白剤の可否)を確認し、最後に付記用語で細かい条件を拾えば、タグの情報はひと通り読み終えたことになります。

記号が省略されている場合は、その図柄でもっとも厳しい処理まで可能という意味です。

最後に、迷ったときの行動を3つに絞ります。

  • 桶に×を見つけたら……家庭用洗濯機のドライコースでも水を使うため自力洗いは避ける
  • 次に丸を見る……P・F・Wに×が付いていなければ、クリーニング店に相談できる
  • 旧表示のタグは……「推奨から上限へ」の視点で読み替え、弱いほう・低いほうから試す

焦らず、弱い方法から。まずはタグを裏返して、桶マークを見つけるところから始めてみてください。

よくある質問

洗濯表示マークは全部で何種類ありますか?

新しい洗濯表示(JIS L0001)は41種類です。2016年12月1日に切り替わる前の旧表示は22種類でしたので、約2倍に増えたことになります。ただし覚えるのは桶・三角・四角・アイロン・丸という5つの形と、「数字=上限」「横棒=弱く」という2つのルールで足ります。

タグを見て、まず何を確認すればいいですか?

いちばん左の桶マークです。×なら家庭では洗えないので丸マークの確認に進み、手のマークなら手洗いのみ、数字が書かれていれば洗濯機で洗えます。桶の下に横棒があれば、その本数だけ弱いコースを選びます。この桶マークの判断だけで、洗濯機に入れていいかどうかが決まります。

アイロンの点1つは何℃までですか?

底面温度110℃が上限で、スチームは使わずにアイロン仕上げをする、という意味です。点2つは150℃、点3つは200℃が上限になります。点の数が多いほど高温まで耐えられるという読み方で問題ありません。

乾燥機に入れていい記号はどれですか?

四角の中に丸が描かれた記号を見てください。丸の中の点が2つ(320)なら排気温度80℃を上限に、点1つ(310)なら60℃を上限にタンブル乾燥ができます。丸に×(300)が付いていれば乾燥機は使えません。四角の中が線の記号は自然乾燥=干し方の指示なので、混同しないように注意してください。

洗濯機の「ドライコース」なら水洗い不可の服も洗えますか?

洗えません。家庭用洗濯機のドライコースでも水を使うため、桶に×の「洗濯禁止(100)」が付いた衣類は自分で洗うのを避けてください。無理に洗うと縮みや色あせ、生地の傷みにつながるおそれがあります。丸の中のP・F・Wを確認して、クリーニング店に相談するのが安全です。

記号が読めないほど古い服はどうすればいいですか?

旧表示(JIS L0217)のタグである可能性が高いので、「旧表示は推奨、新表示は上限」という前提で読み替えてください。判断がつかない場合は、低い温度・弱い洗い方・陰干しといった負担の少ない条件から試すのが安全です。高価な衣類や思い入れのある服は、クリーニング店に現物を見せて相談するのが確実です。

※記号の運用や表示規程は改正されることがあります。最新の内容は消費者庁の公表資料でご確認ください。

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